次の手は、塗装剥離剤。ドロッとした液体を、ペタペタと塗り付けるのですが、早々と削り始めるとあまり効果がありません。じっくり時間を置いて、下地がフニャフニャになってから始めると効果絶大。細かいところはこれに頼らざるを得ません。そして最後の手段はサンダー掛け。ただ機械を押し付けるだけの作業ですが、その速い事!写真のタイムスタンプでは分かりにくいですが、裏面の平坦部を削るに1時間と掛かっていません。流石!FESTOOL。これで研磨面が細かいところに対応したものがあれば、サンダーだけで事足ります。実際そういう製品も出ています。まったく、機械から道具箱までFESTOOLの製品ラインナップは最強、完璧と言っても良いと思います。

木の下地までしっかり剥がしたところで、ウッドシーラーを吹きつけます。ギターの再塗装に関するこの一連の手法は、全て先人からの受け売りです。実績のある情報をお捜しのかたは、”tokiwa-kai”さんを御覧になると良いと思います。ネックの塗装は、指板以外を全て剥がし、オイルフィニッシュ仕様とします。ウッドシーラー(商品名は木部用プライマー)はその名の通り、木の下地を目止めする役なのでスプレーを軽く吹くだけで効果があるようです。次にサンディングシーラーを塗ります。この塗料も初めて使うのですが、実に面白いと言うか、ちょっと気に入ってしまいました。使い方によってかなり柔軟な働きをしてくれます。
先ずは下地の調整まで完了。ボディー部分を手近にあった角材にネジ止めし、吊るします。そして着色。ホームセンターで買ったラッカースプレー、白より少し黄色かかった”アイボリー”と表示されています。”吊るす”というのも今回初めて経験する作業ですが、仕上がり具合をクルクル廻しながら確認できるので、非常に便利かつ効率的です。

スプレー1缶分を使って、出来栄えはそこそこ良いかな?乾燥を待つこと1週間。そしてクリアーの上塗りは2缶分の予定です。この日は梅雨の中休みで、強烈な陽射しが照り付けています。調子に乗ってガンガン作業を進めていました。”ツノ”の部分の細かい修正のために、裏側を手で支えていたら何か変な感触?!おもむろに裏を覗くと・・・。!!!塗り重ねた塗装が”雪崩れ”を起こしています(かなり汗)。重ね塗りを続けるにもある程度の間隔を置かなかったのがいけません。最悪、剥がして塗りなおしか?とまで考えましたが、頭を抱えていても仕方ないので、取り敢えず乾燥を待ちます。

全体の塗装が上がればあとは部品を組み込むだけなのですが、早々簡単には片付きません。先ずはキャビティ部分に導電塗料を塗ります。これがまたドロドロの液体でかなり丁寧に混ぜないと、ダマダマ状態でとても塗料と呼ぶには程遠い感じ。どちらかといったら”泥”です。それが充分乾くのを待って、もう少し厚塗りをして、また待つ。塗装って本当に我慢の連続で、いい加減投げ出したくなります。今回は既存の部品を殆ど交換してしまったので、部品ごとの評価は出来ません。導電塗料の乾燥を待つ間、弦を張るための部品を先につけてしまいます。さて、音出し・・・・・、???、!

先ずチューニングが、いい感じで決まるようになりました。ハイポジションのコードを弾いても、少なくとも”音痴”な感じは無くなった様です。これはペグとブリッジのおかげでしょう。また全体の響きのバランスがとてもいいです。以前は”ジャーン”とやった時の余韻が、ボディの内側だけで消えてしまったのが、今は隅々まで綺麗に響き渡りながら消えていきます。これはナットをブラックタスクというものに替えた事も効いていると思うのですが、ボディの表面を伝わってくる音の違いを感じると塗装の効果大と言わざるを得ません。何となく弾いていても調子がいいというか、実に気持ちがいいので次の作業になかなか進めません。

今回の”復元”のお蔭で、今までギターに接していて、初めての経験をしました。以前は弾けなかった曲が、”弾けるように”なったのです。正確に言うと、実際は弾けるのだけれど、原曲の雰囲気に合わない。元々、楽器として完全に機能していなかったのかも知れません。今回も、紆余曲折がありました。が、なんとか完成。結局、アコースティックと違ってエレキギターはトータル的なチューニングが必要不可欠だと言う事が分かりました。さて、次はアンプです。これも長くなりそうだなぁ・・・

Casinoの方がなかなか進まないので、ストラトにも手を付けてしまいました。正直言って、乗り気では無かったのですが。とは言え、始めると瞬く間の出来事です。付いている部品をここぞとばかりに、引っ剥がします。内臓を全部取りだすと、この様になります。内側にもウレタンの塗装がしっかり乗っているので、これを木の下地が見えるまで削ります。銀色に見える部分はノイズ対策のためアルミホイールです。(よくこんな細かいことをやってたね、と我ながら感心してしまいます)

こうやってあらためて眺めていると、この塗装の厚さが気になります。ネットで検索すると,いる・・・いる!分厚い塗膜に嫌気が差して、剥離に挑戦する人の多いこと。かくして私もその挑戦者の一人となります。一番簡単なのは塗装面にアイロンを当てて、柔らかくなったところでスクレーパーで剥がす方法です。確かに簡単だけど、不用意に熱いところに触ると火傷しそうだし、揮発した溶剤の匂いで鼻が曲がりそうです。おまけに手加減しないとスクレーパーで下地に深いダメージを与えてしまいます。

真空管ギターアンプ・プロジェクト